知的障害特別支援学校における農耕作業学習に関する考察
「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」の試み
要約
知的障害特別支援学校中学部や高等部の作業学習は、将来の働く生活や自立に向けて教育課程の中心として位置づけられている。これまで著者らは、作業学習、特に農耕作業学習において多視的に取り組み、電子黒板教材の導入による販売会の検討を行い、それらの有効性を明らかにするように努めた。
一方、次期特別支援学校学習指導要領ではアクティブ・ラーニングの考え方が「主体的・対話的で深い学び」と示されている。そこで今は、涌井の6条件に基づき農耕作業学習におけるアクティブ・ラーニングに沿った授業改善を検討した。その結果、指導前後に生徒同士の対面的なやり取りや協働、改善点を振り返る「話し合い活動の充実」は、涌井恵の6条件や話し合い活動、農耕作業学習の知識、技能、理解等の点で有意に改善されていた。このことから、「話し合い活動の充実」は、アクティブ・ラーニングを深めるうえで重要と考えられた。
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