アレルギー疾患・皮膚疾患
1.重症円形脱毛症
- 今まで確立された治療法がなかった重症円形脱毛症ですが、最近新しい有効な方法・・JAK受容体阻害薬・・が開発されたので、これを取り入れています。
- 病状が慢性期に入り、重症の状態が治療対象です。
- 全身的な感染症(結核など)がある場合にはこの治療はできません。感染症がないことを確認した後に治療を開始します。
2.アトピー性皮膚炎
- 今までステロイド剤以外に治療法がなかった、再発再燃を繰り返すアトピー性皮膚炎ですが、最近新しい有効な方法が開発されたので、これを取り入れています。
- 対象年齢は(薬剤によって異なりますが)生後6か月以上です。
- 皮膚の状態、痒み、全身的な広がりなどを診察します。
- 全身的な感染症(結核など)がある場合にはこの治療はできません。感染症がないことを確認した後に治療を開始します。
作用点を絞った新規薬剤
- 現在特に注目されているのは、軟膏としても経口薬としても投与できるJAK受容体阻害薬です。
- JAK受容体は、アトピー性皮膚炎の皮膚症状を起こす伝達経路の重要な要素であることがわかっています。
- 有効性の高い安全な治療法ですが、薬価が高く、子ども医療費制度などが利用できないと自己負担額が高額になります。
- 発達障害の方はアトピー性皮膚炎が重症になることが多く、有効な治療が必要です。
3.にきび
- 弊院では思春期の進行に伴う問題を診療対象としており、にきびもその一環ととらえています。
- アダパレンと過酸化ベンゾイルの合剤が使用できるようになり、治療の有効性が上がりました。抗生物質の併用も有効です。
- 保湿剤併用も重要であり、十分な対策を行っています。
4.スギ花粉症
- スギ花粉症に対して、診断および舌下免疫療法を実施しています。
- 対象年齢は5歳-64歳です。
- 鼻炎、結膜炎、咳嗽など、どんなアレルギー症状が出るか、その季節はいつか、食物への反応はどうか、ペットや皮膚接触による反応があるか、などを詳細にお尋ねします。次に血液検査により抗原特異IgE抗体の測定を行います。
- この治療法に関する資格を有する医師が実施します。
5.ダニアレルギー
- ダニアレルギーに対して、診断および舌下免疫療法を実施しています。
- 対象年齢は5歳-64歳です。
- 鼻炎、結膜炎、咳嗽など、どんなアレルギー症状が出るか、その季節はいつか、食物への反応はどうか、ペットや皮膚接触による反応があるか、などを詳細にお尋ねします。次に血液検査により抗原特異IgE抗体の測定を行います。
- この治療法に関する資格を有する医師が実施します。
スギ花粉症、ダニアレルギー:舌下免疫療法
- この治療法によるアナフィラキシーショックの発症は今までほとんど報告がなく、極めて安全性の高い治療法と思われます。
- 初回投与時は、時間をかけて異常反応がないことを確認します。
- 3-5年間毎日1回、継続して服用することが基本であり、根気の必要な治療法ですが高い有効性が認められます。
- スギ花粉症の治療は、スギ花粉飛散期には始められません。これ以外の季節から始めることになります。